【映画】『JOKER』 人を狂わせる孤独や虚しさ、寂しさ
知り合いの方に勧められて、『JOKER』(ジョーカー)を観ました。
コメディアンを目指し、いつも「人を笑わせたい」と思う道下師の男性、アーサー。
彼が少し違っていたのは、笑うのを止められない病気があること。
自分の存在価値を見出せないまま、薬で孤独や虚しさを補う日々。
それでも、彼は彼なりに、周りの人に自分を認めてもらえるようにアピールする。
時代のせいでもあり、様々な負のタイミングが重なったのもあり、次第に彼は衝動的・過激に自分をアピールすることになっていく。
彼自身が行っていることだけど、まるで別人のよう。
眠っていた本当の『彼』が覚醒したような印象。
自分で埋めようとしても埋まらなかった孤独感を、周りの人達に必死に訴えたアーサー。
出会う人から邪険にされ、自分の存在価値を見失ってしまった時、どれだけの人が正気でいられるのだろうか。。。
家庭環境の不安定さも大きな要因を占めるものの、超人でも怪人でもない、凡人の彼がスポットライトを浴びた映画。
結果的には狂人と位置づけられてしまうだろうけど、その火種は誰しも持っているものだと思う。
「愛されたい」
「認められたい」
「虚しい」
「寂しい」
一見、負の感情として排除しがちな気持ちこそ、汲んであげる必要がある。
無視をすればするほど大きくなり、手遅れになることもあるかもしれない。
アーサー、彼のように。
自分で自分の存在価値を認めることの大切さを、改めて痛感した。
親も含めて、他人に向けても報われないことも多い。
ひたむきに真面目に生きている人こそ、考えさせられると思う。
誰でも持っている心の陰、闇の部分に焦点を当てている素敵な映画でした。
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