「どんな形でもいいから、生きてて欲しかった」・・・存在給のカタチ。
仁さん(心屋仁之助さん)がお話している存在給。
生きているだけで、何もしなくても価値があるということ。
存在給について考える時・・・
ふと思い出す、忘れられない出来事。
私が作業療法士として、高齢者施設に勤務していた時のお話です。
私は、利用者であるIさん(80代女性)のリハビリを担当していました。
彼女は、認知症は軽度で、車椅子と歩行器を併用して生活するレベルでした。
リハビリを行っていくうちに、身体機能は回復していきました。
しかし、持病が悪化して車椅子生活に逆戻り。
Iさんの日常生活に寄り添うリハビリを行いながら、たくさん会話もしました。
お花をいつも持って面会に来ていた、Iさんの娘さんとも。
会話は出来るものの、病状が良くならず、その後は入院となってしまいました。
Iさんが施設を退所し、数ヶ月が過ぎた頃。
施設を通して、Iさんが亡くなったことを知りました。
葬祭場が近いこともあり、ご焼香に伺いました。
葬祭場の受付には、施設で顔馴染みになった娘さんの姿がありました。
「母の顔を、ぜひ見てやってください」
と、娘さんと一緒にIさんの棺を見に行きました。
棺の中の彼女は、穏やかで眠っているかのよう。
施設でお昼寝をしていた顔が、思い浮かびました。
長年、Iさんのお世話をしていた娘さん。
だんだん出来なくなることが増えていく母親を、いちばん間近で支えていた人でした。
棺を眺めながら、
「どんな形でもいいから、生きてて欲しかったです」
と言いました。
出来なくなることが増えても、病気になって動けなくても、会話が出来なくなっても、母親であることに変わりはない。
顔を見るだけで、生きていてくれるだけで、励みになったのだろうと思います。
「ただ生きているだけで、誰かを幸せに出来ることがあるんだ」
と、初めて感じました。
Iさんが亡くなった悲しみや、人間がもたらす存在という『温かみ』に、涙が止まらなくなりました。
Iさんが亡くなってから数年後。
私は地元にUターンするため、その地を離れました。
もう何年も前の話だけど、忘れることのない思い出です。
今思えば、Iさんが遺してくれた大切なメッセージなのかな・・・。
皆、生きているだけで、誰かを幸せにしてる。
そして誰かが、自分を幸せにしてくれてる。
今日も、人の『温かみ』を感じて生きよう。
★★★★★
久しぶりに飲んだ『ウェルチ』。
100%とか果汁の多いジュースが、たまに飲みたくなる。
あ~美味しかった!
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